女性起業家が成功するためにやること|起業のアイディア発想例やポイントを紹介

起業する女性は年々増加傾向にあります。しかし、起業全体から見るとその数はまだまだ少ないです。そのため、国や自治体では、女性の活躍を推進するための公的な支援に力を入れています。本記事では、調査データと照らし合わせながら、女性の起業についての情報や成功するためのポイントをご紹介します。
引用:女性起業家実態調査
引用:中小企業庁(総務省
引用:日本政策金融公庫

女性起業家の基本データ

まずは基本的なデータを見ていきましょう。以下の3つのデータから大まかなアウトラインをつかんでください。男性の起業家とは明確に違う特徴が表れているのがわかります。

  • 女性起業家の人口数
  • 女性起業家の起業時年齢
  • 女性起業家の職種

それぞれについてくわしく解説します。

女性起業家の人口数

総務省の「平成29年就業構造基本調査結果の概要」では、起業者の数と、男女の起業者の数を比較したものが掲載されています。平成29年の全体的な起業者は、約477万1千人。うち、男性の起業者は384万9千人(80.7%)、女性の起業者は92万2千人(19.3%)となっています。平成24年と比べると、女性の起業者の割合は1.4ポイント上昇しています。
引用:女性起業家の実像と意義

女性起業家の職種

経済産業省が公表している、平成27年度「女性起業家等実態調査」によると、女性起業家の職種は、広義のサービス業が大半を占めているのが特徴です。サービス業の比率においては、男性が32.9%であるのに対し、女性は 51.8%です。また、男性と比べて、小売業、飲食店・宿泊業、教育・学習支援業の割合が多いこともわかります。
引用:女性起業家実態調査

女性起業家と男性起業家の違い

女性の起業家に関するデータから導き出される、男性との違いにはさまざまなものがあることがわかりました。ここからは、女性起業家と男性起業家の顕著な2つの違いとして、女性側ならではの面を見ていきましょう。

  • 出産・育児による制限がある
  • 女性のニーズを捉えられる

起業を含むキャリアプランを考えるとき、女性ならではの転機や特性をポジティブに受け止めることで、ビジネスチャンスにつなげられることがあります。

出産・育児による制限がある

男性の育児休暇も珍しくない時代になりましたが、やはり出産と育児の負担は、女性の方が大きいと言えるでしょう。女性の起業数が30代で落ち込むのも、子育ての時期と重なるケースが多いことが考えられます。また、すでに事業がスタートしている人であっても計画の見直しなど、制限事項が発生してくる可能性は否定できません。しかし、その経験をうまく活かすことで、新たな分野を開拓する経営者がいるのも事実です。
引用:2019年度起業と起業意識に関する調査
引用:2013年度日本政策金融公庫 女性起業家の実情

女性のニーズを捉えられる

同性ならではの視点を活かし、女性のニーズをとらえた分野を開拓している女性起業家も多く見られます。従来の女性向けビジネスは男性の感覚で企画されたものが多く、フォーカスが甘いことがありました。その点、女性の起業家は女性のライフスタイルを的確に分析できるため、既存の市場にも斬新な切り口で参入できる強みを持っています。
引用:2013年度日本政策金融公庫 女性起業家の実情 まとめ部分

女性起業家の起業アイディア発想例

事業を推進させるのに不可欠なのが、他者との競争に勝ち抜く独自のアイディアです。ここでは、アイディアのヒントとなる項目を3つご紹介します。

  • 仕事で培ってきたスキルを活かす
  • 日常の悩みを解決する
  • 趣味や特技を発展させる

女性起業家であれば、女性特有の発想や感性を盛り込むことで、さらに勝機が高まります。

仕事で培ってきたスキルを活かす

最も確実なのは、前職のスキルを活かして起業することでしょう。長年キャリアを積んだ分野なら、支援してくれる取引先や仲間も多い可能性があります。
例えば、大手人材派遣サービス会社に勤務していたある女性起業家は、前職の先輩の後押しを受け、女性経営者と大手企業のビジネスマッチングを行う会社を設立しました。これは前職で培った、人を結ぶノウハウが活かされた成功例です。
引用:女性起業家実態調査

日常の悩みを解決する

日常の悩みやストレスを解消するビジネスは、今後も需要が高まると考えられます。
例えば、看護師や心理士として病院や企業の健康管理室でキャリアを積み、職場のメンタルヘルスに対応するサービスを立ち上げた女性起業家がいます。時代のニーズをうまくキャッチし、女性ならではの気づきと、自身のスキルをマッチさせた好例と言えるでしょう。将来的な成長が期待できる分野は、早く始めた人が有利になるため、社会情勢にもアンテナを張っておくことをおすすめします。
引用:ハートヘルス

趣味や特技を発展させる

自分の好きなことや得意なことを仕事にしたい人は少なくありません。趣味とビジネスは切り離した方がいいと言われることもありますが、趣味が発展して、事業を成功させた人もいます。
アメリカのある主婦は、趣味で作った枕が有名デパートで人気になり、1億円を売り上げました。彼女の成功のポイントは、主婦としての経験を生かして、家電を使用した独自のアイディアをもとに枕を作ったことでした。ただ好きなだけでは収益につながりませんが、技術や発想をさらに磨く意欲のある人にとっては、やりがいを感じられるビジネスになるでしょう。
引用:好きなことを仕事にして、1億円以上の売上をつくった主婦の話

女性起業家が成功するためのポイント

起業家にとって、常に知識や情報をアップデートし、経営戦略を練ることは重要です。特に女性の場合は経営者同士の横のつながりが希薄になりがちなので、積極的にネットワークづくりをすることをおすすめします。
以下に、女性起業家が成功するための3つのポイントをリストアップしました。

  • 経営やマーケティングについて学ぶ
  • 誰に何を届けたいのか明確にする
  • 仲間や協力者を増やす

経営やマーケティングについて学ぶ

マーケティング用語で、収益を生み出す戦略や構造を「ビジネスモデル」と言います。成功した企業のビジネスモデルを研究し、自社の資金調達やプロモーションに取り入れることは賢い方法です。さまざまな経営理論やマーケティング戦略を身に付けることは、事業計画を実践していく上での大きな武器になります。

誰に何を届けたいのか明確にする

ターゲットを絞り込むことも、事業を成功させるための大きなポイントです。例えば「30代でフルタイムの仕事を持つ美容好きな女性」「血圧と血糖値が気になる50代の男性」というふうに、架空の顧客の属性を細かく設定してみると、広告の訴求ポイントや顧客へのアプローチ法もはっきりとしてきます。万人を狙おうとすると、方向性が曖昧になり、訴えたいことが伝わりにくくなることがあるので注意が必要です。

仲間や協力者を増やす

ビジネスは人脈がものを言います。仲間や支援者、顧客との関係を良好に保つことが大切です。また、つながりを持つことで、さまざまな恩恵にあずかれることもあります。経営者同士、同業者同士のネットワークの場にも積極的に参加すると良いでしょう。人脈を増やすことによって、ビジネスチャンスが得られるだけでなく、ピンチのときには気持ちの上の支えにもなります。

まとめ

女性起業家の数は、今後も増加の一途をたどると予測されます。スキルを持っている人、キャリアを積んだ人にとっては、活躍の場を広げる大きなチャンスです。経営者になると社会的な責任が重くなり、繁雑な作業も増えますが、その分やりがいも大きくなります。ぜひ夢を実現させてください。